ホリエモンの多動力が売れたのはなぜ?:「メモの魔力」前田裕二×けんすう対談③
↓今までの記事↓
続きからです.
.
.
.
目次
人の抽象を自分の具体にできる人とは?
前田さん:
「本や人の学んだ抽象を自分の具体で行動できる人って最強ですよね」
けんすうさん:
「それでいうと西野さんと堀江さんはかなりそれができる人ですよ」
けんすうさん:
「二人と僕はよく会うんですよ。その時にあるのが、僕が話した話を自分の話として話してくるんですよ」
前田さん:
「それ面白いですね笑」(携帯でメモ中)
けんすうさん:
「二人とも僕の話を覚えてくれてるのは嬉しいんですけど、僕がした話を自分の話としてみんなに話すんですね。 西野さんも堀江さんも僕より影響力があるから、最終的に僕が言い始めたことなのに僕がパクリをしたように世間から見られちゃうことがあります 苦笑」
前田さん:
「めちゃくちゃ面白いですね!二人ともけんすうさんの話を自分のこととして吸収して話しちゃうから、話した本人のけんすうさんにも話しちゃうんですね笑」(メモメモ)
(携帯にメモする前田さん)
ここからホリエモンのlivedoorの話などを交えながら前田さんは
『起業のパターン』について言及を始めた。
前田裕二の考える起業のパターン
前田さん:
「起業って2つパターンあって、中を見るか外を見るかなんですよね。どいう事かと言うと、市場を見て市場のニーズに合った売れるものを必死に作るマーケットイン型と原体験に基づく自分の作りたいものを作るプロダクトアウト型があるってことです。こんな感じで自分の外側を見るか自分の内側を見るかの2パターン起業の型があると思うんです。マーケットイン型でいうと今の流行り、例えばフィンテックとシェアがトレンドだからこの系統の事業でいこうと決めて起業する感じ。一方で、プロダクトアウト型は自分の成し遂げたいことや理想を求めて事業をやっていこうという感じ」
『起業のパターン』、わかりやすい!
前田さん:
「これってどっちがいいとかじゃないと思います。『お金持ちになってやる』っていう人にとってはマーケットインが絶対に良い。でも自分の目指す社会・やりたいことがあるならプロダクトアウトすべき。僕の場合はSHOWROOMで目指す社会があったのでプロダクトアウトでした。僕個人では、マーケットインはサステイナブルじゃないと思ってて、お金を稼ぎたいって思いだけじゃ事業をやっていくうえで辛い時期を迎えたときに耐えられない。一方で、プロダクトアウトは自分の夢を熱量をもって実現することだから辛いことにも耐えられるんですね。」
けんすうさん:
「livedoorってかなりマーケットインの会社でしたよね。当時からしたら将来トレンドとなるブログ事業・動画事業を同時にやっていたの本当に堀江さんすごいと思います。」
前田さん:
「本当にすごですよね。堀江さんもうlivedoorみたいな起業しないんですかね」
けんすうさん:
「本人曰く、もう逮捕されるのはこりごりらしいです苦笑」
前田さん:
「でも今の堀江さんってかなりプロダクトアウト型ですよね。自分のやりたいことや面白そうだと思ったことをとことんやっているイメージ」
確かに!ホリエモンは舞台・ロケット事業・東大受験などを手掛けていて、何が何だかわからない笑
前田さん:
「でも、最近少し『起業のパターン』に関して考えが変わってきました。このプロダクトアウトとマーケットインってどっちかに偏ってたらダメなんじゃないかって思うんですよ。」
けんすうさん:
「どういうことですか?」
起業のパターンから見る「多動力」分析
前田さん:
「『多動力』ってあるじゃないですか、堀江さんのやつ。あれ堀江さんが自分の話したことを本としてもらったとき、『ん~、多動力か』っていまいちな感じのリアクションだったんですよ。でも大ヒットしたら自分で『多動力だ!』みたいにテンション上げて言ってますよね笑 あれって堀江さんが自分の想うことや言いたいことをぶちまけて、それを箕輪さんが世間の求める意見、ビジネスでいう『ニーズ』のある部分を上手く切り取って書かれた本なんだと思います。これを考えると、堀江さんのプロダクトアウトと箕輪さんのマーケットインが上手くバランス取れたから売れたんだと思うんです。こんな感じで本においても起業においても両者のバランスが今とても大事なんだと思います。」
前田さんのSHOWROOMは自分の原体験に基づくプロダクトアウトであると同時に、地下アイドルや路上パフォーマーの強いニーズにサービスだ。市場にニーズがしっかりと存在していることと強い原体験があることが起業において、とても大事なこと。確かに独りよがりなものじゃ誰にも相手にされない。とはいえ、きっと強い原体験ってのは「人を動かす力」や「同じ境遇」を内包していると思う。強い原体験をもとに熱量をもって市場を見て事業を起こすことが起業の成功への道なのかもしれない。
内容の濃い二人の対談はあっという間に過ぎ、学生からの質問タイムになった。
司会者の「質問ある人?」の声と同時に勢いよく手を挙げた一人の生徒がいた。
つづく
↓つづきはこちら↓